ソリューション営業マンの鉄則2 お客様の「欲しい」ものを売ってはいけない
鉄則1では「お客様のニーズを満たす」と言っているので、お客様の欲しいものを売ってはいけないというのは、相反することのように感じるかもしれません。
実は、お客様自身が何を求めているのか、何を解決したいのか、わかっていないケースが大半なのです。
お客様が欲しいと思っているニーズは氷山の一角で、むしろ本当のニーズは水面下にもぐっています。潜在的なニーズを探り出せるかどうかの部分が、営業マンとしての資質が問われると言えるでしょう。
たとえば、パソコンを欲しいと思っている人に対して、
「つい先日、このメーカーから最新式のモデルが発売されたんですよ」
「このパソコンは当店で一番の人気です」
と勧める営業マンは、お客様のニーズを表面的にとらえているだけです。
そもそも、お客様がパソコンで何をしたいのかを理解しないことには、的確なパソコンを勧められないでしょう。
「パソコンを欲しい」というのがニーズなのではなく、「パソコンで何をしたいのか」が潜在的なニーズであり、本当のニーズなのです。メールやワードを使えればいいと思っているのかもしれませんし、DVDも見たいと思っているかもしれません。
その答えはお客様自身が持っています。だからこそ、お客様の話をよく聞き、そしてお客様以上に深遠に考えると、自然と答えが見えてきます。
ソリューション営業マンの鉄則3 営業マンとお客様の関係は対等である
「win-winの関係」とよく言われるように、営業マンとお客様もwin-winの関係を築くのが一番です。Lose-loseはもちろんのこと、win-loseのようにどちらかが優位に立つという関係も望ましくありません。
ものを売る立場の営業マンは、買ってもらいたいがために相手に媚びを売り、ヘコヘコしてしまいがちです。なかには相手の言いなりになって、「もっと安くしてよ」と言われれば安くし、接待を促されたら高級料亭やゴルフなどで接待をセッティングする営業マンもいます。
これからの時代は、お客様を切り捨てる決断も不可欠です。
win-winの関係であるためには、時にはお客様に対して主導権やリーダーシップを持たなければなりません。できないことはできないとハッキリ伝え、相手が納得しないのなら関係を断つ覚悟も必要でしょう。相手の言いなりになったら、さらに要求が増えていき、対処できなくなるのは目に見えています。
たとえば、電話営業かけて目当ての社長がつかまったとき、「今、会社にいらっしゃるのでしたら、伺ってもよろしいですか。近くまで来ているので、5分で着きますから。名刺交換だけでもさせていただけませんか」と頼み込むのが従来の営業マンの売り込み方です。これでは名刺交換はできても、それだけで終わってしまうでしょう。ペコペコお願いしてばかりいる営業マンから買いたいとはだれも思わないはずです。
win-winの関係を目指すのなら、電話でさらっと説明した後、「〇〇ついては全くご興味がないということでしたら、これ以上はやめておきます。逆に、ご興味があるということでしたら、御社までご説明にお伺いすることも可能ですが、ご希望されますか。それともご不要ですか」と聞きます。相手は強気の姿勢に驚き、逆に興味をもって話を聞いてみたくなるわけです。
必要以上に強気になることも、下手に出る必要もありません。
win-winもしくはno-deal(取引なし)の関係を目指すようにしましょう。