スキル2:企業に関する情報収集
相手の企業に関する情報を得ないまま営業に行くのは、あまりにも無謀です。
たとえば、「御社の従業員は何人ぐらいですか?」という質問を投げかけるようでは営業のプロ失格です(そこまでの人は少ないと思いますが)。
こちらの続きは、書籍でお楽しみください。
スキル2:企業に関する情報収集
相手の企業に関する情報を得ないまま営業に行くのは、あまりにも無謀です。
たとえば、「御社の従業員は何人ぐらいですか?」という質問を投げかけるようでは営業のプロ失格です(そこまでの人は少ないと思いますが)。
こちらの続きは、書籍でお楽しみください。
スキル1:お客様へ情報提供
初対面の人相手に商談をするときは、まず自分の会社や商品を知ってもらわなければなりません。
おそらく、多くの人は会った時に一から説明しているのではないでしょうか。この方法だと時間がかかりますし、1時間説明してもお客様が覚えている内容はおそらく1割にも満たないでしょう。
会う前に、お客様に商品の資料や書籍などを渡しておくと、最初の商談のときに話がスムーズに進みます。今日アポイントを取って明日会う、という急な商談でも、事前にファックスで簡単な資料を送って目を通してもらうほうがいいでしょう。
理想的なのは、アポイントをとったときに、
「ご面談の前に、○○に関するご参考資料をお送りさせていただいてもよろしいですか」
と、一言確認をしておくこと。
何も言わずに送ると、ほかの企業から送られてきたDMと一緒に処分されてしまう恐れもあります。
また、お客様が事前に資料請求をしているケースもあります。お客様の手元にどの資料があるのかを知るためにも、事前に資料について一言確認するようにしましょう。
ステップ1 事前準備 事前準備は商談の土台づくり
皆さんは、営業を始める前にどれぐらい準備をしているのでしょうか。
相手の下調べもせず、飛び込みで会って契約を取れる人もいるかもしれません。それは100人中に一人いるかいないかの営業の天才だけでしょう。残りの99人はまず契約を取れません。門前払いを食らうのがオチです。
それでは、残りの99人はどうすればいいのでしょう。
名刺を置いて会ってくれるまで足しげく通い、根性と根気で情に訴えかけるのでしょうか。一昔前はこういうタイプの営業が王道でした。
こんなことをしていったい何件の契約が取れるのでしょうか。営業していて楽しいのでしょうか?
商談は積み木のように1つ1つを積み上げていけば、誰でも成功するものです。根性もカンもいりません。顧客の悩みに本気で傾聴し、顧客の立場に立って深遠に顧客のことを考え、理性的にやるべきことをやりさえすれば必ず成果を得られます。
事前準備は、いわば土台作りです。建築でいえば、最初に行われる基礎工事のようなもの。基礎工事は建築でもっとも大切な工程です。ここをおろそかにすると建物は崩れてしまいます。営業も事前準備がなければ契約にたどり着く前に崩れてしまうでしょう。
皆さんも、それなりの事前準備はしていると思います。
資料をそろえたり、訪問先の企業のHPをチェックしたり、セールストークを考えたり、ノウハウ本を読んだり……この程度の準備は誰でもやることです。
もし、商談を成功させたいのなら、ほかの人がやらないことまで準備しておくべきです。
たとえば、「うちはこういうのは間に合ってるんだよね」「うちにはそんな予算はないんだよ」とお客様から言われた時、「そうですか」とすごすご引き下がるようでは100軒回っても契約はとれません。予期せぬ突っ込みを入れられ、しどろもどろになっているようでは、ソリューション営業とは程遠いでしょう。
事前準備でもっとも大切なのは、お客様のニーズを想定しておくことです。行ってから相手の反応を見て対処を決めるのでは遅すぎます。アドリブで白いものも黒いと巧みに売り込めるのはごくごくまれな人です。多くの人は、その前の段階でお客様のニーズを想定する、つまり仮説を立てておかなければ対処できないでしょう。
お客様が何を求め、何に不満を抱き、何を誤解しそうなのか。
事前準備の段階でそれを想定し、解答を用意しておくと、お客様から鋭く突っ込まれてしどろもどろになることもありません。堂々と、落ち着いて対処できます。
事前準備は、ムダなく、効率的に、そしてより高品質な営業するための第1ステップです。
事前準備の段階で商談の成否は決まると言っても、過言ではありません。今まで準備をしてこなかった人は、おそらく相当な数の契約をフイにしているでしょう。私から見れば、もったいない話です。
今からでも遅くはありません。商談のアポイントが取れたら、次に紹介するスキルに沿って事前準備をする習慣をつけましょう。
ソリューション営業マンの鉄則7 営業を停滞させない
商談の結果は、①契約、②前進、③停滞、④拒絶の4つがあります。
望ましいのは①か②です。停滞している状態でも営業は続いていると勘違いしている人もいますが、動きのない案件は動かすか切り捨てるかのどちらかを早い段階で選んだほうがいいでしょう。
客層は今すぐ客、そのうち客、冷やかし客の3つに分類することができます。
今すぐ客というのは、今すぐに商品やサービスを買ってくれる客層のことで、全体の3~5パーセントと言われています。「今は買わなくても、そのうち買おう」という客が15~20パーセント。それ以外の人が「買う気もないけど、話ぐらい聞いてもいい」という冷やかし客です。
つまり、全体の7割以上がセールスをしても買ってもらえないお客様なのです。
お客様を分類するのは、すべてのお客様を同じように営業をするのは効率が悪いからです。
話をして見込みがあるかないかはわかるでしょう。「この人、冷やかし客だな」「この客はまだ買う気はなさそうだから、そのうち客だな」と思ったら、無理やり「今すぐ客」に変えようとする必要はありません。話をそこで終えて、「ご検討ください」と」引き下がる方が賢明です。
「今すぐ客」を見つけて、今すぐ、契約してもらうためにソリューション営業はあるのです。
それを見極めるために、日時を決めるのは1つのポイントとなります。
たとえば、「次回は先方の社長と商談することになった」「部長さんと会うこととなりました」というのは前進ではありません。これは停滞に含まれます。そのままずるずると持ちこされ、いつのまにか話が立ち消えになる可能性もあるからです。
前進させるためには、「〇月〇日に社長と会うことになった」と日時を確定させること。日時を確定するのに積極的であれば、相手は今すぐ客だと判断できます。渋るのなら脈がないと判断したほうがいいでしょう。
ソリューション営業マンの鉄則6 自社の商品に自信を持つ
実は、自社の商品に自信を持っていない人は多いのではないでしょうか。
自信が持てないのは、商品に関する知識が足りないからです。新人な仕方がないかもしれませんが、ベテランの営業マンでも通り一遍の説明しかできない人は少なくありません。
よくありがちなのは、一方的に商品の説明をするだけの営業マン。それを聞いている時のお客様が興味なさそうに「はあ」「ふーん」とあいまいな返事をしていても、意に介さず話を続けます。お客様が「今は必要ないから」と断っても、「今ならキャンペーンをしているので、割引されてお得ですよ」と力説するでしょう。
表面的な説明しかできないのは、商品に対する知識が欠けているからです。自分自身が商品を深く理解し、愛さないことには「この商品はお客様を幸せにできる」という自信も生まれません。
商品を理解する前に営業をすることほど、危険な行為はありません。
入ったばかりの新人がいきなり現場に立たされて接客を任されても、何をどう売ればいいのか分からないでしょう。お客様には「人気のあるデザインは?」と聞かれて「少々お待ちください」と上司に聞きに行くようでは、購買意欲が削がれてしまいます。
お客様にとっては、新人もベテランも関係ありません。お客様から商品について質問された時に、よくある質問に関してはすべて答えられるほどの知識を身につけて、はじめて現場に出られるのだと思います。
商品知識を得るために、鉄アレイモデルが役に立ちます。
お客様やライバルの立場から、商品やサービスの特徴を考え、20秒で説明できるようにします。この時、自社の立場で特徴を考えるのではないことがポイントです。
たとえば、新聞の勧誘です。ビジネスマンも私にセールスしているにもかかわらず、
「他社の新聞より折り込みチラシが多いですよ」と勧める人がいました。ビジネスマンにとっては、チラシをあまり必要としないお客様も多いでしょうから、お客様の立場に立っているとは思えません。洗剤などのおまけで釣るのも相手が主婦でなければいい方法とは言えないでしょう。
他社の新聞より文字が大きい、経済面が充実している、写真が多くて読みやすい、安いなど、具体的にお客様にとってどういうメリットがあるのかを提示しないと購買意欲は刺激されません・
それを理解して、はじめて自信を持ってお客様に売れるのです。
ソリューション営業マンの鉄則4 商品の価値はお客様のニーズによって異なる
売れている商品や人気のある商品、最新式の商品やサービスが、すべてのお客様にとって価値のあるものだとは限りません。
先日、私が洗濯機を買おうと大型電機店に出向いた時の話です。
並んでいる洗濯機を見始めた途端に店員が寄ってきて、こう言いました。
「洗濯機をお探しですか?こちらが新製品です。この斜めドラムは、幅60センチメートル、傾きが20度もあります。9キロ洗いの6キロ乾燥。すごいのは、乾燥時の風力が時速360キロメートルもあり、高速脱水は毎分約1600回転もします。それでも乾燥・脱水時の騒音レベルは37デシベルです。しかも、ヒートポンプ式でイオンコートですから」
にこやかに説明されましたが、そもそも洗濯機の知識もそれほどない私は「はあ」と答えるだけで精いっぱいです。その後も延々と機能や性能、スペックについて説明していましたが、まったく頭に入りませんでした。
この店員は、商品の特性=商品の価値と考えているのでしょう。
商品の価値を決めるのはお客様自身です。
ドラムがまっすぐなほうがいいのか傾いているほうがいいのかは、お客様の生活環境によってことなります。全自動がいいのか、二層式がいいのか、乾燥機付きがいいのか、お客様によってニーズが異なり、そのニーズと合致したものに価値が出るのです。
それを考えると、まず行わなければならないのは、お客様のニーズを聞き出すこと。
「ご家族は何人いらっしゃるんですか?洗濯物はどのくらい量があるのですか?共働きですか?共働きなら夜中洗濯することもありますよね。静かなほうがいいですか?マンションですか、一軒家ですか」
このようにニーズを引き出すために質問を投げかけ、その上でニーズに沿ったものを紹介すればお客様も「買おうかな」という気になるものです。
ソリューション営業マンの鉄則5 安易に値下げしない
「価格が高くて、買ってもらえない」
受注をとれなかった時、よく聞く言い訳の1つです。
それでは、商品を値下げるれば問題は解決するのでしょうか。
答えはNOです。
他者はもっと値引きしてくるでしょう。値引き合戦になるだけで、収拾がつかなくなります。
値下げだけでお客様を満足させるのではなく、商品の価値をしっかりと伝えて、価格でなく価値で満足させるべきです。
お客様は、価格よりも価値のほうを重く見ます。価格のほうを重視するのは、その商品やサービスに価値を感じられないからです。
それは商品そのものに問題があるというより、営業マンがお客様に価値を感じさせるプレゼンテーションができていないのが原因です。
同じ機能の商品が並んでいた時、より安いものを選ぼうとするのは、人の心理として当たり前。同じ機能でも高い商品を選んでもらうには、他者の商品以上に魅力を感じるプレゼンをしない限り惹きつけられないでしょう。
売れないのは営業マンのスキル不足であり、商品やサービスのせいにしていたら、いつまでたっても「売れない営業マン」のままです。
商品の価値を高めるためにはお客様に何をどう伝えればいいのか、スキルを磨くべきです。そのために、本書は必ず役立ちます。
ソリューション営業マンの鉄則2 お客様の「欲しい」ものを売ってはいけない
鉄則1では「お客様のニーズを満たす」と言っているので、お客様の欲しいものを売ってはいけないというのは、相反することのように感じるかもしれません。
実は、お客様自身が何を求めているのか、何を解決したいのか、わかっていないケースが大半なのです。
お客様が欲しいと思っているニーズは氷山の一角で、むしろ本当のニーズは水面下にもぐっています。潜在的なニーズを探り出せるかどうかの部分が、営業マンとしての資質が問われると言えるでしょう。
たとえば、パソコンを欲しいと思っている人に対して、
「つい先日、このメーカーから最新式のモデルが発売されたんですよ」
「このパソコンは当店で一番の人気です」
と勧める営業マンは、お客様のニーズを表面的にとらえているだけです。
そもそも、お客様がパソコンで何をしたいのかを理解しないことには、的確なパソコンを勧められないでしょう。
「パソコンを欲しい」というのがニーズなのではなく、「パソコンで何をしたいのか」が潜在的なニーズであり、本当のニーズなのです。メールやワードを使えればいいと思っているのかもしれませんし、DVDも見たいと思っているかもしれません。
その答えはお客様自身が持っています。だからこそ、お客様の話をよく聞き、そしてお客様以上に深遠に考えると、自然と答えが見えてきます。
ソリューション営業マンの鉄則3 営業マンとお客様の関係は対等である
「win-winの関係」とよく言われるように、営業マンとお客様もwin-winの関係を築くのが一番です。Lose-loseはもちろんのこと、win-loseのようにどちらかが優位に立つという関係も望ましくありません。
ものを売る立場の営業マンは、買ってもらいたいがために相手に媚びを売り、ヘコヘコしてしまいがちです。なかには相手の言いなりになって、「もっと安くしてよ」と言われれば安くし、接待を促されたら高級料亭やゴルフなどで接待をセッティングする営業マンもいます。
これからの時代は、お客様を切り捨てる決断も不可欠です。
win-winの関係であるためには、時にはお客様に対して主導権やリーダーシップを持たなければなりません。できないことはできないとハッキリ伝え、相手が納得しないのなら関係を断つ覚悟も必要でしょう。相手の言いなりになったら、さらに要求が増えていき、対処できなくなるのは目に見えています。
たとえば、電話営業かけて目当ての社長がつかまったとき、「今、会社にいらっしゃるのでしたら、伺ってもよろしいですか。近くまで来ているので、5分で着きますから。名刺交換だけでもさせていただけませんか」と頼み込むのが従来の営業マンの売り込み方です。これでは名刺交換はできても、それだけで終わってしまうでしょう。ペコペコお願いしてばかりいる営業マンから買いたいとはだれも思わないはずです。
win-winの関係を目指すのなら、電話でさらっと説明した後、「〇〇ついては全くご興味がないということでしたら、これ以上はやめておきます。逆に、ご興味があるということでしたら、御社までご説明にお伺いすることも可能ですが、ご希望されますか。それともご不要ですか」と聞きます。相手は強気の姿勢に驚き、逆に興味をもって話を聞いてみたくなるわけです。
必要以上に強気になることも、下手に出る必要もありません。
win-winもしくはno-deal(取引なし)の関係を目指すようにしましょう。
ソリューション営業を行うための大前提として、7つの鉄則があります。
これを踏まえた上で営業しないとお客様にとっても営業マンにとっても不幸な結果に終わるでしょう。この7つの鉄則を心がけるようにしてください。
ソリューション営業マンの鉄則1 売るのではなく、お客様のニーズを満たす
一般に、営業は物やサービスを売るのが仕事だと考えられています。
この考えこそ、営業が失敗する要因の1つなのです。
営業マンの役割は売ることではなく、お客様のニーズを満たすこと。それを理解している営業マンは、ほとんどいないのではないでしょうか。
ニーズとは、お客様の「何かを解決したい」「改善したい」「達成したい」という願いです。ニーズのないお客様は、どんなに懸命にセールスをしても購入しようとは思わないでしょう。
たとえばデパートに行った時に、気になる洋服を手に取るやいなや、すかさず店員が近寄ってきて、「それ、今日入ってきたばかりなんです。イタリア製なんですよ」と話しかけられたら、うるさく感じるはずです。ブティックに足を踏み入れた瞬間に「いらっしゃいませ、何かお探しですか」などと声をかけられたら、どうでしょうか?
自分都合で話しかけるのではなく、お客様が声をかけてもらいたいと思うタイミングを狙って話しかけなければ、ニーズは満たせません。試着室を探している時に「試着してみますか」と声をかけられたり、欲しいサイズが見つからない時に「どのサイズをお探しですか」と尋ねられたら、抵抗感なく受け入れられるものです。
ニーズが分からなければ。ニーズを探すのもセールスする側には必要なスキルです。お客様が今着ている洋服から「こういうタイプの服が好きなんだな」とある程度分かるでしょうし、お客様が手に取っている洋服を見れば、何を求めているのか予測はつきます。
ただ「サイズはほかにもありますよ」と声をかけるだけでは、ニーズを満たせませんし、探すこともできないでしょう。
そしてお客様のニーズを満たすために、自社の商品やサービスをニーズが掘り起こせるように紹介するテクニックも同時に必要です。そのためにお客様が思わず手に取るようなパンフレットを用意したり、セミナーを開くなどの営業活動は必須です。
同じ物やサービスを売るにしても、お客様のニーズを満たすという前提を抜きにすると最終的に目指す方向性が大きく変わってしまいます。この点を忘れないようにしましょう。
ソリューション営業の7つの鉄則(2/5) →
マネージャーの立場で部下の指導をしなければならない人の悩みの種と言えば、「部下がなかなか育たない」「売上が上がらない」といった点でしょう。さまざまな部下の育成法、営業スキルを身につける本などを読み漁り、部下の指導に当たる人も少なくないと思います。
それでも部下がなかなか育たないのはなぜでしょうか。
それは、個々の部下の能力を把握していないからです。
「A君は営業トークがうまくて契約をよくとれる」「Bさんは話すのが苦手だから、契約にこぎつける件数が少ない」と、漠然とした能力は把握しているかもしれません。けれども、漠然としたままでは、指導するときに「話術を磨け」「誠意をもって営業しろ」と抽象的な話しかできないでしょう。
そのうえ、2、3人の部下ならともかく、数十人をまとめる立場になれば、全員の能力を把握するのは至難の業です。それこそ、天才マネージャーでなければできないでしょう。
実は、部下が何十人いても、ある方法を使えば個人個人の能力を把握することは可能です。
それは、営業を数値化するという方法。数値といっても、売上で判断するのではありません。営業のスキルそのものを数値化するのです。
弊社では、営業スキルを数値で表すための数式を考えました。
商談は時間をかけてやればいいというものではありません。商談の成約率が高くても、商談期間が長ければマイナス。そのように商談を数値化すれば、具体的に「アプローチが足りない」「商談期間が長すぎるので成約に結び付かない」などの問題点も見えてきます。
この数式を使ってどれぐらい生産性指数があがっているのか、定期的にチェックしてみるのをお勧めします。
もちろん、マネージャーだけではなく、一人ひとりの営業マンが自分で営業生産指数を理解しておくのも大切です。
冒頭でお話したパン工場のように、営業はプロセスが重要です。面談の後の提案に結びついていないのか、見積もりまで順調に進んでも稟議の段階で成約率が下がっているのか、どのプロセスでどのような問題が発生しているのか。明確にしなければ話が前に進みません。
数値化することで、自分のどこに問題があるのか、客観的に見られるようになるでしょう。
5ステップ70スキルは、次のような流れになっています。
ステップ1 事前準備 12スキル
商談のアポイントが取れ、会うまでにしておかなければならない準備です。
資料を集めたり送ったりするなどの「基本のき」から、お客様が何を求め、何に不満を抱いているのかをある程度想定して仮説を立てるのも、この段階でしておかなければなりません。
ステップ2 アプローチ 13スキル
実際に商談に入る時の最初の関門です。挨拶や軽い会話などから始まり、簡単な商品の説明などをするほか、次のヒアリングのステップに進む前の足がかりとして、信頼関係を構築し、ヒアリングに対して回答する価値があることを理解して頂き、ヒアリングの許可を得ておきます。本格的な商談に入る前に、この段階で様々な「仕掛け」をしておくのもポイントです。
ステップ3 ヒアリング 23スキル
商談で最も重要なのがヒアリングです。お客様のニーズを見つけて理解するために、徹底的に話を聞きます。お客様がどんな問題を抱えているのか、何を求めているのかという点や、予算や決済者といった細かい点もすべて確認します。
ステップ4 プレゼンテーション 13スキル
お客様のニーズをすべて理解したうえで、商品やサービスの提案をします。提案する段階でお客様の不満や不審、誤解や無関心などの「抵抗」があれば、それも解消しましょう。強引に売り込むのではなく、お客様の意見を受け止めながら展開していく技術が必要になります。
ステップ5 クロージング 9スキル
お客様が商品やサービスについて納得した段階で、商談は締めとなります。その場で答えが出ない場合は、次回に会う約束などを必ず決めるようにしましょう。ときには、決済者や影響者と直接話し合う場を設けてもらうなど、次につながる機会をつくるよう心がけます。
何事にも基本は大切。基本ができていないうちに面倒だからと途中のステップをおろそかにすると、失敗する確率は高くなります。
また、このスキルで何よりも大切なのは、ステップの順番を変えてしまわないということ。
たとえばヒアリングをする前にプレゼンテーションをしてしまえば、契約に結びつく確率は低くなってしまいます。
この5ステップは、人間の心理的な動きなども考慮した上で考えられています。プレゼンをしてからお客様の意見を聞こうとすると、お客様は反感を抱いてほとんど話してくれないでしょう。